3ステップウォレットについて
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3ステップウォレットについて

タグ
3stepwalletSymbol
公開日
October 5, 2021

初めまして、松本一将(まつもとかづまさ)と申します。

現在、株式会社Opening Lineでブロックチェーンのエンジニアとして働いております。

今回は現在開発中のアプリケーションの「3ステップウォレット」についてお話しさせていただければと思います。

本記事では以下のことを紹介させていただきます■ 3ステップウォレット開発の経緯■ 解決したい問題点■ これまでの実証実験の経緯■ これからやっていきたいこと

3ステップウォレット開発の経緯

それは僕が障がい者支援施設のグループホームで勤務していた時のことです。とある利用者さんが「今度ドラゴンクエスト7」を予約に行くという話からスタートしました。

当時は2016年で「あれどうしてAmazonで購入しないのだろうか?」という素朴な疑問からスタートしました。

実際にどのように購入していたのか?

実際にその利用者さんはどのように購入していたかというと

1. 保護者の方と相談して購入するかどうかを決定する2. ガイドヘルパーサービスを予約して、一緒に予約をするために付き添ってくれるスタッフを手配する3. 実際にゲオへ行き、予約をする4. 入荷予定日に合わせてガイドヘルパーを予約する5. 再度ゲオへ行き、商品を購入する6. ドラクエスタート

となっていました。(今はこの流れをどうしているかは不明ですが、当時はそんな感じだったと記憶しております)

そこで思ったことは

どうしてAmazonで購入することができないんだろうか?

です。これが3ステップウォレットの開発のきっかけとなりました。

解決したい問題点

さてそうなると現在の解決したい問題点は

ネットショッピングができる方法

になります。

そもそもネットショッピングに必要なものはなんなのか?こちらを整理してみたいと思います。

届け先(アカウント情報等)

実際に発送する際には届け先が必要になります(住所や個人情報を入力する欄)

クレジットカード(デビットカードなどのその他決済手段)

決済をするのに必要な手段となります

この2つが最低限必要なものになるのかな?と思いました。

現在3ステップウォレットではこの「決済手段」こちらの方法を実現できるように開発しております。

この決済手段の確立さえできれば、ドラクエを購入する場合の手続きは以下になります。

1. 保護者と相談する2. Amazonで購入3. ドラクエスタート

といった感じでガイドヘルパーを予約しての部分は全てスキップすることができますので、色々な体験ができるようになります。

■注意点今回の問題点でよくある質問としては「ガイドヘルパーの仕事をなくすことが目的なのか?」という質問がありますが、ガイドヘルパーはガイドヘルパーとして必要なことです。今まで、「欲しいものを購入するために利用していたサービスを、旅行など本人の体験を増加することができる」という解釈をしていただけますと幸いです。これは世の中の様々なことを体験できる時間が増加するという理解でいます。

現在公開されている事例(消費者庁から)このような事例が報告されています。

つまり事前に相談をして保護者の承認を得る手続きを踏まえれば特段問題なく購入体験はできるという解釈にいます。

つまり解決したい問題とは

「購入前に事前に相談できる仕組み」「相談から購入までの手続きの簡便化」

の2つになります。

これまでの実証実験の経緯

さて、解決しようとする問題点の抽出はできたかと思いますので、ではこの問題を解決するアプローチをどうしよう?という話になってきます。

ここでまず思い浮かんだのが

QRコードによる決済(手続きの簡便化)でこの部分はいけるのかな?と思ったわけです。

次に購入前に事前に相談できる仕組みとして「複数人承認」(決済自体に複数の承認があって初めて成立する考え方)を取り組めばいいのかなと思いました。

購入前に事前に相談できる仕組みとして

今回は実際にDBのステータスを取得してきて複数人承認のRDBを作成しようかなと思ったこともありましたが、今回はこの技術をしようしています。

ブロックチェーンのSymbol(NEM)をしようした、マルチシグによるトランザクションの承認です。

説明に出てくるマルチシグアカウントの例がそのまま今回の問題解決につながると思いました。

image

しかも暗号通貨のため実証実験のためのポイント作成やサーバー設置なども不要。全てが整っている状態だったので僕にとっては渡りに船でした。その時に右も左もわからない時に教えてくれたメンターの方はこちらの方です。

注意点本プロジェクトでsymbolを採用しているのはたまたま僕が知っていたかつ僕でも扱えた(エンジニア3年目)という要素が強いです。また本プロジェクトによって暗号通貨の資産価値を増減させることはないと認識しております。ですので投資家の方でこのプロジェクトがあるから価値が上がると期待される方もおられますが、そのような効果は観測されていません、また僕自身もあるとは思っておりませんので、ご注意ください

なのであとは

QRコードを読み込む機能があるアプリケーションを作ってしまえば(簡単に言ってますが、最初は結構難しかったです)実証実験ができるという流れになりました。

そこで知り合いの

を通じて、放課後等デイサービスわかばさんで実証実験をさせてもらうことになりました。

1回目の実証実験(2018年11月28日)

初めて実証実験を実施しました。(写真等は利用者様のプライバシーの観点から掲載は控えております)以下が実証実験のレポートになります。(原文)

レポートとして、やってみて思った事や利用者、職員の意見を簡単にとりあえずまとめてみましたので送ります!

今回は比較的軽度の子が多かったので全員すぐに操作自体しっかり理解して覚えてすぐに慣れる事が出来ていた

イベント自体、お祭りのようにしたのも、あって子供たちもとても、楽しそうで、またしたいとのリクエストも出ていた。

親御さんもイベントやアプリの趣旨には賛同頂く事が多く需要や必要性を感じた。また未来の決済の練習や勉強という意味で施設的にも療育として反応がよかった

後半QRコードを読み込まなくなって困った。また後半からパソコンでの承認のパスワードを入れようとすると、IMEパッドが無効ですとのエラーが出て打てなくなり承認が出来なくなった

喋れないお子様もいるので、イベントをする時点でも電話以外の方法があった方がいいと感じた

児童5人に対してアプリのスマホが2台と電話を受ける人が1人ではスムーズに回らなかったので、電話の人が2人は必要と感じた

1人に100円分づつ買い物したがやはりお金が減っていく感じがないので、本人達がイメージしづらく支払いというより作業のようになっている印象だった。また誰がいくら使っていくら残っている等も混乱しやすく電話を受ける人が一人一人の残高を確認しないといけない

電話が終わった後、はじめの画面に戻ったり戻らなかったり、機種によって違うのではじめの画面にもどるボタンがあれば、便利と感じた。iPhoneではカメラが起動したりしなかったりという問題もあった

ウォレットの画面が、マークだけだったので、これでいいの?という質問があったので、QRの選択画面や、電話をかけるボタンの上に、[QRを読み込もう]とか、[電話をかけよう]とかがあったほうが、わかりやすいと感じた。

電話をすることで、しっかり、何を買いたいのか、何円でなのかを全員が伝えていた所はよかった。

というわけで一つずつ紐解いていきますと。

今回は比較的軽度の子が多かったので全員すぐに操作自体しっかり理解して覚えてすぐに慣れる事が出来ていた

こちらは今回の実証実験に参加してくださった方々の障がいが比較的軽度の方が多く、シンプルなアプリケーションだと覚えてくれて慣れる事ができていたといった形になります。ここで出てくる問題点としては、スマホアプリケーション操作自体は軽度な障がいのある方は対応できますが、比較的重度な方はもっと別なアプローチが必要ということになります。

そうですね例えば購入の意思表示をこのボタンで実施するなどですかね?こちらもテストをしてみないとなんともですが。

イベント自体、お祭りのようにしたのも、あって子供たちもとても、楽しそうで、またしたいとのリクエストも出ていた。

本当にありがとうございます。さすがプロフェッショナルです!!

親御さんもイベントやアプリの趣旨には賛同頂く事が多く需要や必要性を感じた。また未来の決済の練習や勉強という意味で施設的にも療育として反応がよかった

この問題に対して需要や必要性があるということが判明したのが本当に良かったです!

後半QRコードを読み込まなくなって困った。また後半からパソコンでの承認のパスワードを入れようとすると、IMEパッドが無効ですとのエラーが出て打てなくなり承認が出来なくなった

これは、あれですね、アプリ側の不具合です。また承認機能とwindows側でうまくいっていなかったみたいです。

なので・QRコードの読み込み機能の改善・承認機能を簡易にするこの2つの課題は次に改善できればと思います。

喋れないお子様もいるので、イベントをする時点でも電話以外の方法があった方がいいと感じた

これは想定していなかったですね。次はSMSでのテキストメッセージも想定します!!

児童5人に対してアプリのスマホが2台と電話を受ける人が1人ではスムーズに回らなかったので、電話の人が2人は必要と感じた

スマートフォンの台数を確保する必要があるということがわかりました!!ありがとうございます!!

1人に100円分づつ買い物したがやはりお金が減っていく感じがないので、本人達がイメージしづらく支払いというより作業のようになっている印象だった。また誰がいくら使っていくら残っている等も混乱しやすく電話を受ける人が一人一人の残高を確認しないといけない

お金が減るイメージですよね。承知しました、UIの改善に取り組みたいと思います!!またユーザー切り替えも簡単にできるようにですね!!ありがとうございます!!

電話が終わった後、はじめの画面に戻ったり戻らなかったり、機種によって違うのではじめの画面にもどるボタンがあれば、便利と感じた。iPhoneではカメラが起動したりしなかったりという問題もあった

不具合ですね。次はネイティブアプリケーションに対応してみます!!

ウォレットの画面が、マークだけだったので、これでいいの?という質問があったので、QRの選択画面や、電話をかけるボタンの上に、[QRを読み込もう]とか、[電話をかけよう]とかがあったほうが、わかりやすいと感じた。

UIの改修に取り組みます!!ありがとうございます!!

電話をすることで、しっかり、何を買いたいのか、何円でなのかを全員が伝えていた所はよかった。

根幹となる承認機能の部分は想定どうりうまくいっていて良かったです!!

といった結果が今から3年前の出来事でした。

2回目の実証実験(2020年8月5日)

あれからフィードバックを受けてiOSとAndroidアプリケーション対応を実施しまして(開発が難しかったです)そのフィードバックです。

わかば祭りですが、Android携帯の不具合が多く見られました。

カメラの画面からスキャン後、次の画面に行かず、またカメラの画面になります。

再起動するも、なかなかうまく行かないことが多いです。

スキャンの感度もあがると嬉しいです。なかなかスキャンできない子もいたので。

あと、発語がない子に対しての、電話以外の伝え方が欲しいという意見がでました。

メニューも次回は、内容や値段設定とかを変えたい等意見がでたので、そちらに関しましては、またご連絡します。

と今回は結構少なかったですがボリューム感は多かったです。

Android携帯の不具合が多く見られました。

すいません。再度こちらでも確認します。

カメラの画面からスキャン後、次の画面に行かず、またカメラの画面になります。

間違いなくバグです。すいません。原因の特定と対策を実施します。

再起動するも、なかなかうまく行かないことが多いです。

ほんとにすいません。

スキャンの感度もあがると嬉しいです。なかなかスキャンできない子もいたので。

ありがとうございます。スキャンするデータの容量を減らしてみます。

あと、発語がない子に対しての、電話以外の伝え方が欲しいという意見がでました。

ありがとうございます。こちら次回はアカウントという形で対応します!

メニューも次回は、内容や値段設定とかを変えたい等意見がでたので、そちらに関しましては、またご連絡します。

商品メニューを管理できる画面ですね。少々お待ちください。

というわけで、今回の実証実験に向けて

安定した稼働使いやすいUI/UXの追求管理画面

この3つをアップデートして実証実験に臨んでもらおうと思っています!!

以前Youtubeにてどういった取り組みをしているのか取り上げていただきました!!

これからやっていきたいこと

これまでキャッシュレス決済体験アプリケーションとしてやってきたわけですが、やはり最終目標としては

Amazonでの買い物

となっています。今の想定ではStripeを導入することでできるのかな?とは思っていますが、実際に実証実験する際にカード情報が必要だったりと色々と処理をしないといけない課題はたくさんあります。

行きたい時に旅に出る体験

人間とは欲深い生き物でして、キャッシュレス決済だけでなく、旅行とかも一人で行けるようになったらいいなぁと思ってしまうものですね。

なので位置情報による安全確認やガイドヘルパーロボット?による移動支援など、予約をせずに自分の思い立ったタイミングで旅行にいける、そんなシステムを開発したいと思っています(そのために勉強すること山積みなんですけどね。www )

まずは位置情報を利用した安全な決済システムを確立したいなと思っています。

この辺りがやりたいことの実現に近づくのかなと。

また単独での旅行サポートも

この辺りが解決の糸口になるのかなぁ。と妄想しております。

こんな僕ですが、これからも暖かい目で見守っていただけますと幸いです。

「全ての人にブロックチェーンの力を」

株式会社Opening Line松本一将