閲覧権とNEMモザイク
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閲覧権とNEMモザイク

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公開日
November 12, 2018

Webサイトの閲覧権をトークン化させる試みはいくつかありますが、NEMモザイクを活用した例としては、とーくんぺーじというものがあります。

(※とーくんぺーじはNEMモザイクの他、monapartyトークンやcounterpartyトークンにも対応しています)

とーくんぺーじ特定のトークンを持っている人だけが閲覧できるページを作成できます。 token-page.com

とーくんぺーじでは、ページを閲覧できるかどうかを特定のモザイクやトークンを保有しているか否かだけで判定していますが、NEMモザイクを活用するともう少し細かい制御ができ、またNEMモザイクの活用方法について学びもあるユースケースなので、NEMモザイクを活用した閲覧権の制御の事例を元に紹介したいと思います。

閲覧可能な人数を制御したい

どのくらいの人に閲覧権を付与するかの制御は、NEMモザイクの設定項目に供給量の設定があるので、そこを設定してあげればよいです。

NEMのプロトコール上、供給量は最大90億まで設定できるので現時点であれば世界中の誰にでも閲覧権を付与することも可能です。(世界中の人がNEMにアクセスできる前提ですが)

モザイク作成時に、供給量変更可否を可にすれば、需要に応じて後から供給量を調整できますし、不可にすれば、需要の高まりに応じて閲覧権トークンの価値が高まるかもしれません。

閲覧権の二次流通を許可したい

閲覧権トークンを二次流通を許可するか否かは、譲渡許可の項目を制御すればよいです。

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譲渡不可モザイク

譲渡不可のモザイクの場合は、上記の図の様に発行者から受け取ることはできますが、受け取ったモザイクを発行者以外の第三者に渡すことはできません。ただし、発行者に戻すことは可能です。

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譲渡許可モザイク

発行したモザイクを自由に流通したい場合は、譲渡を許可すれば自由に流通させる事ができます。譲渡を許可すれば、モザイクの発行者がから受け取った人が発行者以外の第三者に渡すことも、それをさらに違う人に渡すことも自由に行う事ができます。

一度与えた閲覧権を取り上げたい

閲覧権を与えた人が何らかの不正を行い、そのペナルティーとして閲覧権を取り上げる場合は、徴収モザイクを活用するとうまく機能します。

徴収モザイクとは

NEMのモザイクの設定項目には徴収というものがあります。徴収を設定した場合、モザイクを転送する際に、送信したモザイクとは別な指定したモザイクをモザイクの作成者(もしくは指定したアドレス)に送ることができます。

一般的なユースケースとしては電子チケットの転売手数料としてチケットモザイクの転送毎にチケット発行者がNEM上の基軸通貨XEMを取り立てるみたいなことができます。

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徴収モザイクを使った電子チケットの転売手数料徴収の例

徴収モザイクを使った閲覧権の取り上げ

NEMの場合、一度送ったモザイクを勝手に取り上げることはできないので、一度送った閲覧権モザイクを取り上げることはできません。

そのため、閲覧権取消モザイクを送りつけて、閲覧権取消モザイクを持っている人にはアクセスさせないというアプローチを取ります。

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閲覧権取消モザイクによる閲覧権取消

ところで、閲覧権取消モザイクを受け取った人は一度得た閲覧権を取り返すために閲覧権取消モザイクを別なアドレスに送りつける可能性は十分にあり得ます。

そこで送りつけたモザイクを勝手に転送させないために、徴収モザイクを活用することができます。

先ほど説明した通り、徴収モザイクは転送する際に指定された別なモザイクを取り立てるため、指定された別なモザイクを保有していない人は徴収モザイクを送ることができません。

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閲覧権取消の場合、閲覧権取消モザイクを作成し、その閲覧権取消モザイクの転送時に閲覧権取消解除モザイクを徴収するとすれば、閲覧権取消モザイクだけを送りつけられた人は、閲覧権取消解除モザイクを得ない限り、閲覧権取消モザイクを自分のアドレスから動かすことができません。

一方で、反省が見られた人に再度閲覧権を与える場合は、閲覧権取消解除モザイクを送付して、閲覧権取消モザイクを返してもらえれば再度閲覧できるという形にできます。

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このように、徴収モザイクを活用することで閲覧権の付与・取消のコントロールができるようになります。

付与した人ごとに有効期限のなどを個々に制御したい

モザイクには説明文を書く領域が512byte用意されているためこの領域に有効期限などを記載してその情報を参照するようにすればある程度の制御はできるようになると考えられます。

ただし、モザイクを発行数を1にしてNon-Fungible的に扱うには課題があり、1つはモザイク上に自由に情報を書き込める領域が512byteしかない。もう一つは現行NEMのAPIは1つのネームスペースから大量のモザイクを生成するとモザイクの情報の参照がしずらいという欠点があります。

モザイクの情報取得はNEM2(Catapult)で改善される予定であるのと、Non-Fungibleについてはアドレスを活用したアプローチも提案されているので工夫の余地はあるかもしれませんが、現状では個々できめ細やかな制御には課題はありそうです。

まとめ

以上のように、個々人の細かい制御まで踏み込もうとすると難しい部分はでてきますが、NEMのモザイクの特性を活かして様々閲覧権のコントロールができることを示してみました。

このアクセスコントールでは、供給量・供給量の変更可否、譲渡可否、徴収とNEMモザイクの設定ポイントかなり活用しており、NEMのモザイクの設定の使い方の参考にもなると思います。

このような感じで、今後もNEMの組み込まれた機能を使ったユースケースをお伝えできればなと思います。